〜情報玉手箱〜
先日、新聞で悲しい記事を読みました。1人でも多くの方々にこの記事を読んでいただき、命の大切さを考えていただきたいと思います。そこで今回の情報玉手箱はこの記事を掲載させていただきます。
小さな命見つめ「しっぽ会」の挑戦
簡単に捨てられる犬猫・・・なぜ飼ったのか
5月下旬。札幌市動物管理センター(札幌市西区)に低いうなり声が響き渡った。同センターは犬猫の引き取りや処分などをしている。声の主は日本犬。頭を下げて腰を高くし、必死に攻撃姿勢を取っていた。「かみ癖があり、飼えない」。持ち込んだ女性は泣いていた。「離婚した夫の飼い犬で、彼に引き取りを拒否された。彼以外に慣れず、散歩もできない。新しい飼い主も見つけられなかった」。かむ犬は第三者へ譲渡されず、殺処分が基本だ。「人間の身勝手で申し訳ない」。涙をぬぐいながら、女性はセンターを後にした。犬は、処分となった。札幌市では、昨年度2716匹の犬猫が、同センター福移支所(同市北区)に入所した。飼い主に放棄されたのはうち、768匹。1日あたり2匹が「要らない」と持ち込まれた計算だ。理由の上位は「飼い主の病気」「転居」。不況を反映し、「経済的に苦しい」も3番目に多い。「新しい飼い主を探したの」「見つかりません」「処分されることもありますよ?」「しょうがないです」日々、同じような問答が繰り返される。成田明指導係長は「翻意する人は、10人のうち1人いるかいないか」と話す。
空知管内長沼町を拠点に活動する動物愛護団体「しっぽの会」の稲垣真紀代表(49)が福移支所の動物舎のドアを開けると、オリの中の犬が鳴きだした。鉄格子の間から鼻先を出す犬、シッポを振りながら、オリの前を行ったり来たりする犬。会は週2回、福移支所を訪ねる。犬猫の収容状況を見るためだ。処分は支所の獣医師が施設の収容能力や、譲渡の可能性などを考えて決める。方法は、全国の多くの自治体が採用している二酸化炭素の注入。飼い主が名乗りでなければ、命の保障はない。稲垣さんは、殺処分されそうな犬猫を中心に連れ帰る。「しっぽの会が来ると、あの子助かるかもってホッとします」と、委託職員で働くカズオさん(63)=仮名=。収容動物の世話も処分も委託3人が担う。汚物にまみれた犬を洗い、臆病な犬は抱っこしたりして人に慣らす。環境の変化に緊張していた犬猫も、数日過ごすと、職員に甘えるようになる。「もらわれてほしい」。カズオさんの思いは強まる。生死ギリギリのところで、いくら踏ん張ってもこぼれ落ちる命。昨年度は入所した犬猫の7割に当たる1927匹が処分された。「たいがいの犬猫は抵抗しません。殺されるなんて分からないから。犬はオレに寄りかかって甘えてきたり」。処分前に、センターで一番上等の食事を食べさせる。職員から動物への、せめてものはなむけだ。
オリから出た犬が向かうのは大人5人が優に入れるくらい大きな立方体の処分機。二酸化炭素注入のボタンを押す前、アズオさんは「ごめんな。ごめんな」とつぶやく。「片方の手で犬猫をかわいがり、片方の手で殺している。オレは地獄行きです」とカズオさん。「引っ越し先で飼えない」。そんなセリフが窓口から聞こえると、腹が立ってしょうがない。「引っ越しも離婚も、処分の理由にならない。(こんな簡単に手放すなら)なんで飼ったのか」カズオさんの家には耳がほとんど聞こえない犬1匹、猫3匹がいる。猫1匹を除き皆、福移支所出身だ。勤めて2年弱、瞬く間に増えてしまった。センターで処分をした日は特に、4匹をなでる手に力が入る。「おまえたちは幸せかい?」。4匹は何も答えない。
道内の保健所など行政の施設に収容された犬猫は2007年度1万2067匹、うち処分されたのは8516匹に上る。不遇な命をひとつでも救おうと、札幌を中心に犬猫を引き取り、飼い主探しをする「しっぽの会」の活動を通して、人間に翻弄されるペットの姿を見つめた。
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